言語の絶滅、救えるか 語学アプリで探る保存の道
デュオリンゴは、2013年にアイルランド語コースを公開して以来、世界共通語として人工的に作られたエスペラント語をはじめ、ウェールズ語、ハワイ語、ナバホ語を追加し、現在、ハイチ語、スコットランド・ゲール語、ラテン語、イディッシュ語の追加に向けた準備を進めている。
また、デュオリンゴが言語を追加すればするほど、より多くの潜在的ユーザーが同アプリ(やその広告)に触れることになり、新言語の追加はビジネスの観点から見ても理にかなっている。さらに、少数言語や継承語のコミュニティーはユーザーベースとして他のサービスとの競合が少なくてすむ。フランス語やスペイン語など、学習アプリが数多く存在する主要言語ではこうはいかない。
認知度と実行可能性
では、実際にデュオリンゴは効果があるのか。
学習効果については、絶滅危惧言語や少数言語の場合、評価が特に困難だ。しかし、仮にデュオリンゴが数百万人のハワイ語を話せる人を生み出せなくても、ある言語がデュオリンゴ上に存在しているだけで役に立つことは他にも数多くある。
例えば、言語としての存在が認められ、尊重されることは、絶滅危惧言語の保存・普及にとって極めて重要だ。一般に、少数言語や絶滅危惧言語が消滅の危機に瀕しているのは、その言語が存在する国やコミュニティにおいて過小評価されているためだ。それらの言語の地位を高める何かがあれば、その言語の保存に大いに役立つだろう。
アイルランド語コースの作成者のオードイン氏は、「(デュオリンゴを利用することで)人々がすらすらと話せるようにならなくても、その言語の認知度の向上という点で非常に有益であり、それこそが極めて重要」とし、「言語の使用を促進する上で最も重要なのは、(その言語の)地位とサポートだ」と付け加えた。