米仮想通貨交換所コインベースが上場、評価額は一時11兆円近く
ニューヨーク(CNN Business) 米国暗号資産(仮想通貨)交換所のコインベースが14日に上場し、評価額は一時1000億ドル(約11兆円)に達した。同社はビットコインやイーサリアムなどのデジタル通貨の需要増と値上がりを好機と捉えている。
初値は1株381ドルで、上場前の参考価格250ドルを50%以上上回った。その後430ドル近くまで急上昇したものの、終値は約328ドルと参考価格を30%上回る程度にとどまった。
この価格で計算した場合、コインベースの企業価値は約860億ドルとなる。
同社は今回、新規株式公開(IPO)を通じた新株発行ではなく、ナスダックへの直接上場を選択。過去にはロブロックスやパランティア、スポティファイも同様の上場方式を取った。
市場観測筋の間ではコインベース株をめぐり、同社が既に黒字化していることや売り上げの急増、顧客増加を踏まえ、250ドルの参考価格から大きく上昇するとの予測が出ていた。
欧州のデジタル資産運用会社コインシェアーズのジャン・マリー・モグネッティ最高経営責任者(CEO)はコインベースの上場について、「これはほぼ今年最大の暗号資産イベントだ」との見方を示した。
コインベースは暗号資産の波に乗っている。ビットコインの価格は年初から倍以上となり、現在は約6万2000ドルと史上最高値付近で取引されている。
暗号通貨で2番目の時価総額を誇るイーサリアムも、3倍近く値上がりした。イーサリアムは「非代替性トークン(NFT)」の取引でデジタル決済に利用されることが多く、価格上昇の一因となっている。