インターネットの大規模障害、CDN大手の障害が原因

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今月8日に約1時間にわたって世界中の多数のウェブサイトやアプリにアクセスできなくなる出来事が起きた/Luis Alvarez/Digital Vision/Getty Images

今月8日に約1時間にわたって世界中の多数のウェブサイトやアプリにアクセスできなくなる出来事が起きた/Luis Alvarez/Digital Vision/Getty Images

ニューヨーク(CNN Business) 8日に約1時間にわたり世界中の多数のウェブサイトやアプリにアクセスできなくなった問題で、コンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)大手「ファストリー」の障害が原因だったことがわかった。

ファストリーはCNNやガーディアンなどのニュースサイトやアプリを支援し、トゥウィッチやピンタレストなどのサービスでコンテンツ配信を提供している。アマゾンやターゲット、英政府のウェブサイトなど主要なプラットフォームもつながらなくなった。

ファストリーは8日午前、同社サービスの状態を知らせるサイトで、問題を特定し修正したと発表した。各サイトやアプリのサービスは米東部時間同日午前7時(日本時間同日午後8時)ごろに復旧し始めた。顧客の一部はこの問題の影響が残り、ロード時間が長くかかるかもしれないという。

影響は南北アメリカや欧州、アジア、南アフリカに及んだ。同社によると、サービスの設定が原因でサーバーに不調が生じたという。

ファストリー社とは?

ファストリーはウェブサイトのロード時間を改善し、ウェブサイトやアプリ、プラットフォーム向けにサービスを提供している。世界中に広がる大規模なサーバーネットワークを備え、サイトをクラッシュさせうる「DoS攻撃」を含む通信量の負荷を平準化している。こうしたサービスは、各サイトなどにアクセスしようとするユーザーから物理的に近いサーバーに、コンテンツやウェブサイト、アプリの情報をたくわえることで実現している。

同社がインターネット企業と利用者の間に介在することから、障害発生時にはそうしたプラットフォームが全体的に遮断される状態になった。

インターネットの通信記録を大手企業に提供するケンティック社幹部、ダグ・マドリー氏によると、ファストリーからの通信量は東部時間午前5時49分ごろに4分の3が消えたが、同6時39分ごろに戻り始めたという。

なぜファストリーの障害がインターネット全体にも?

ネット企業はCDNを切り替えることもでき、一部の企業はファストリーの障害を回避できた様子だ。だがこの作業は容易で素早く対応できるものとは限らない。

主要なサイトやアプリは時々ダウンすることがあるが、長時間には及ばないのが通常だ。インターネットのプロバイダーやCDN、ホスティングサービスはいくつもの冗長性や世界的なバックアップサーバー網を備え、異常発生時に影響を減らせるように設計されている。

マドリー氏は「エラーのないインターネットは存在しない。従って、成功を評価する目安としては、ファストリーのようなネット企業が今回のようなまれな停止事案でどれだけ早く復旧できるかとなる。今回は1時間未満だった」と語った。

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