戦車に立ちふさがる「タンクマン」、MSの検索で非表示に 天安門事件から32年
ニューヨーク(CNN Business) 中国・北京で民主化を求めるデモが弾圧された天安門事件から32年を迎えた4日、米マイクロソフトの検索サービス「ビング」で、戦車の前に立ちふさがった「タンクマン」の画像や動画が表示されなくなった。
ビングの検索結果にタンクマンの画像が表示されなくなる現象は、世界各地で発生した。これについてマイクロソフトの広報は、「人為ミス」による手違いだったと説明している。翌5日には、中国を除く世界各地で再びタンクマンの画像が表示されるようになった。
ビングは競合するグーグルなどの検索サービスと違って、中国本土でも運営されている。これはマイクロソフトが中国の法律に従って、中国のユーザーに表示される検索結果の検閲を強いられていることを意味する。特に天安門時間やその犠牲者に関する画像や情報は検閲の対象になる。中国のインターネット検閲は、毎年6月4日が近づくと強化される。
1989年6月4日の天安門事件は大勢の犠牲者を出し、戦車の前に立ちふさがった「タンクマン」の画像はその象徴とされた。
中国のネット検閲は通常、中国国内のみが対象となる。しかし中国本土以外で外国企業が天安門事件に関する情報を遮断したのは今回が初めてではない。
米連邦捜査局(FBI)は昨年12月、ビデオ会議サービス「ズーム」の元従業員が中国政府に加担して、昨年6月に行われた天安門事件に関するビデオ会議を少なくとも4回中断させたとして指名手配した。