米、ロシアにISSの運用延長を提案 2030年まで
ニューヨーク(CNN Business) ロシアの宇宙機関「ロスコスモス」は6日までに、同機関のロゴジン総裁と米航空宇宙局(NASA)のネルソン長官が電話会談した際、米側が国際宇宙ステーション(ISS)の2030年までの運用延長を提案したとの声明を発表した。
総裁は提案への賛意を表明した。NASAの報道担当者はネルソン、ロゴジン両氏が4日に実施した初の電話会談で宇宙における両国の協力関係の将来を話し合ったことを確認。ただ、ロゴジン総裁はロシアがパートナーとしてとどまる期間について確固とした言質は与えなかったとした。
ロシア政府は早ければ2024年にもISSから撤退し、独立した宇宙ステーションの建設に取り組む考えを示している。米ロ両国によるISSの共同運用は20年に及ぶ。
ネルソン長官は3日、CNN Businessとの会見でロシアの撤退は好ましくないと指摘。ロシアが宇宙開発で中国への傾斜を深めるのなら、月の開発で米国と中ロの間で全く新しい競争が起きるだろうとし、ロシアとの協力関係の維持を望んだ。
ロシアは深宇宙探査計画で中国と密接に協力する意向を示唆。両国は今年、月面での共同基地創設に関する了解覚書にも署名した。
一方、NASAは2011年に発効した「ウルフ修正条項」により中国との協力の可能性を探る対話の開始が禁じられている。米連邦捜査局(FBI)や連邦議会が明確に承認した場合のみ許されている。
米国と中ロ両国の関係は現在、人権侵害やサイバー攻撃を含む広範な問題をめぐって緊張している。