金星の秘密解明へ、NASAが2つの新ミッションを許可
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は3日までに、惑星探査計画「ディスカバリー計画」の一環で、2つの金星探査ミッションの実施を許可した。金星が地球と多くの共通点を持ちながら、現在のように居住不可能な場所になった経緯の解明を試みる。
2つのミッションのうち一方では金星の大気に焦点を当て、もう一方では地表の地図の作成を行う。
「ダビンチ+(プラス)」と名付けられたミッションは、金星の大気の成り立ちを解明することに特化したものになる。過去の金星に海があった可能性も調べる方針だ。
一方、「ベリタス」では金星の表面の地図を作り、地球とこれほど異なる星になった経緯に光を当てる。地球は金星と大きさが似ているため「双子」と呼ばれることが多いが、現在の共通点はこの点にとどまる。
金星は地球に似た海や気候を含め、太陽系で初めて居住可能な惑星の特性を備えていた可能性があるが、何らかの原因で鉛も溶けるほど高温の惑星に変化した。
2019年の研究によると、急激な変化が起きる前は、数十億年にわたって安定した気温を維持し、液体の水を有していた可能性が高い。
現在では金星はほぼ死んだ惑星となり、地球の90倍の厚さの有毒な大気と、セ氏462度に達する表面温度を持つ。
これまでに金星を訪れたNASAの探査機は1978年のパイオニアと、90年代初頭のマゼランのみ。
金星に海が存在した可能性は、パイオニアのミッションで最初に示された。しかし太陽に2番目に近い惑星であることを踏まえ、当時は金星が海を維持できるとは考えられていなかった。