先住民の聖地にアマゾン社屋の建設計画、裁判所が「待った」 南ア
ロンドン(CNN Business) 南アフリカのケープタウンに米アマゾンのアフリカ本社などを建設する開発計画に対して、現地の裁判所が待ったをかけ、この土地を聖地としてきた先住民との話し合いを命じた。
同プロジェクトでは、市内に広がる約15万平方メートルの敷地で工事が始まっている。ここは2つの川が合流する場所で、先住民が欧州からの侵入者と戦い、儀式の場としてきた土地に近い。反対派の人権団体などが市当局や土地を所有する不動産会社を相手取り、中止を求める訴えを起こしていた。
判事は18日、先住民との「適切で有意義」な話し合いが行われるまでの間、工事をただちに停止するよう言い渡した。
この区画は数十年前、南ア鉄道が従業員の厚生施設として最初に開発し、その後ゴルフ場やレストラン、オフィスなどが開設された。
新たなプロジェクトではアマゾンの本社を中心に、ホテルや住宅、店舗の建設が予定されている。不動産会社は2年前、プロジェクトがケープタウンの経済を刺激し、6000件あまりの雇用を生み出すとの見通しを示していた。南アの失業率は現在、35%近くに上っている。
判事は先住民との話し合いを求めた命令について、開発自体への批判と解釈されるべきではないとする一方、経済効果より先住民の権利を尊重するべきだと強調した。