マスク氏、買収撤回を通知 ツイッター側は法的措置の構え
ニューヨーク(CNN Business) 米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は8日午後、米ツイッターに対し、同社を440億ドル(約6兆円)で買収する合意を撤回すると通知した。
ツイッター買収はめまぐるしい展開を見せ、マスク氏はまず同社の筆頭株主になり、取締役就任を辞退した後、買収に合意した。だがその後、一転して買収実行に疑念を示すようになった。今後本件が法廷で争われるのはほぼ確実だ。
8日夕に規制当局に提出された文書によると、マスク氏の弁護士はツイッターの法務責任者に宛てた書簡で、買収合意の「複数の条項に重大な違反」があるため、マスク氏は買収を取りやめると主張した。
マスク氏はここ数週間、明確な証拠を示さずに、ツイッターの公表値よりも多くのボットやスパムが存在するとして懸念を表明してきた。これについてアナリストからは、マスク氏は買収価格を割高とみている可能性があり、買収合意から抜け出す口実をつくるために懸念を示している可能性があるとの指摘が出ている。
ツイッター株やハイテク市場はここ数週間で下落。マスク氏が買収資金の一部に充てる予定のテスラ株も買収合意後に急落している。
一方、ツイッターのブレット・テイラー会長は同日、「取締役会はマスク氏と合意した価格と条件で取引を完了させることを約束しており、買収合意を履行するため法的措置を取る予定だ」とツイートした。
買収撤回の報道が出た直後、ツイッターの株価は8日の時間外取引で6%近く値を下げた。取引時間内にも5%下落していた。テスラ株は時間外取引で1%あまり上昇した。