ツイッターの憎悪表現、イーロン・マスク氏の買収後に激増 米調査
ワシントン(CNN Business) イーロン・マスク氏が米ツイッターを買収して以来、ヘイトスピーチ(憎悪表現)の投稿が激増したという報告書を、監視団体2団体がこのほど発表した。
マスク氏はツイッターの従業員を大量解雇して、数百人を退職に追いやった。このためマスク氏が以前から批判していたコンテンツ監視のために必要な人材も流出している。
報告書はデジタルヘイト対策センターと名誉毀損(きそん)防止同盟が2日、それぞれ発表した。
デジタルヘイト対策センターによると、黒人差別用語の1日当たりの使用数は2022年平均の3倍に増え、同性愛の男性を中傷する用語の使用は58%増、トランスジェンダーの人を中傷する用語は62%増となった。
名誉毀損防止同盟の報告書では、ツイッター上で「反ユダヤ的な内容の投稿が増えると同時に、反ユダヤ的な投稿に対する介入が減った」と指摘している。
両団体ともこの傾向に警鐘を鳴らしており、名誉毀損防止同盟は、ツイッターのコンテンツ監視担当者が削減されたことを考えると、状況は一層の悪化が予想されると予想した。
デジタルヘイト対策センターの代表は、「(マスク氏が)あらゆる人種差別主義者や、女性や同性愛者を憎悪する者たちに向けてツイッターが利用できると宣伝し、彼らがそれに応じた」と指摘した。
マスク氏は2日午後、この調査について報じた米紙ニューヨーク・タイムズの記事について「完全な誤り」とツイート。ヘイトスピーチを含む投稿が参照された件数は、同氏がツイッターを買収して以来、「減り続けている」という主張を繰り返した。