米グーグル、イスラエルとのクラウド契約に抗議の従業員28人を解雇
ロンドン(CNN) 米グーグルが、イスラエル政府とのクラウドコンピューティング契約に抗議していた従業員28人を解雇した。
グーグルは解雇した28人について、ニューヨークとカリフォルニア州サニーベールのオフィス内で抗議デモを行っていたことが調査で判明したとしている。デモを組織した団体がX(旧ツイッター)に投稿した情報によると、サニーベールではデモ参加者がグーグルクラウドのトーマス・クリアン最高経営責任者(CEO)のオフィスに立ち入った。
デモ参加者は、「利益目的のジェノサイド(集団殺害)はもうやめろ」「我々はパレスチナ人、アラブ人、イスラム教徒のグーグラー(グーグル社員)の味方だ」と書かれた横断幕を掲げた。
グーグル広報は18日、こうした抗議デモについて、同社でほとんど働いていない人物や団体が以前から展開していたキャンペーンの一環だとCNNに説明。「少数の従業員のデモ隊が我々の複数の拠点に入って混乱を引き起こした。物理的に他の従業員の仕事を妨害し、施設の利用を妨げることは、明らかに当社の方針に反しており、容認できる行為ではない。何度も退去要請が拒まれたことを受け、オフィスの安全を徹底させるために司法当局がかかわって彼らを排除した」としている。
その上で、「これまでに完了した個別調査の結果、従業員28人を解雇した。今後も調査を継続し、必要があれば措置を講じる」と強調した。
抗議団体によると、グーグルとアマゾンは、イスラエル政府と軍にクラウドコンピューティングサービスを提供する12億ドル(約1850億円)相当の契約を結んでいる。
同団体は18日、「この非道な報復行為は、グーグルがジェノサイド的イスラエル政府および軍との12億ドルの契約を、自社の従業員よりも重んじていることの表れだ」と抗議する声明を発表した。