米マイクロソフト、中国国内の従業員に他国への転勤要請
(CNN) 米マイクロソフト(MS)は17日までに、中国国内で働く少なくとも100人の従業員に対し、他国への転勤を検討するよう求めた。中国の国営メディアが報じた。
人工知能(AI)やクリーンエネルギーといったテクノロジーを巡り、米中の関係は悪化している。
主にクラウドコンピューティングに携わるMS従業員に対して、米国やオーストラリア、アイルランドなどの国々で勤務する機会がこのほど提供されたという。中国国営の澎湃新聞が15日、匿名の情報筋を引用して報じた。
MSの広報担当者は16日、CNNの取材に答え、「社内的に機会を提供することは、当社のグローバル事業の運営に含まれる」と説明。そうした過程の一環として、一部の社員に企業内での移転の選択肢を共有したと述べた。
米紙ウォールストリート・ジャーナルが16日に報じたところによると、MSは最大800人の従業員に対して転勤を検討するよう求めた。ほとんどは中国籍のエンジニアで、クラウドコンピューティングとAIの業務に携わっているという。
同紙は昨年、匿名の情報筋を引用し、バイデン政権が中国企業による米国のクラウドサービスへのアクセス制限を準備していると報じていた。
MSは1992年に中国に進出。北京に設立した研究施設を拠点に影響力を構築してきた。
ある従業員は澎湃の取材に対し、「誰もが困惑している」と答えた。当該の従業員らは、1カ月以内に決断を下すよう求められているという。
中国メディアの第一財経によれば、100人以上の従業員に影響が及ぶ。一方で彼らには転勤しない選択肢もあると、同メディアは付け加えた。
テクノロジー分野を巡り、米中両国は近年対立を深めている。今週バイデン政権は、180億ドル(約2兆8000億円)相当の中国製電気自動車(EV)やその他多くの製品に対する関税を今後2年間で引き上げると発表した。