アフリカ・レソトの聖なる洞窟、数千年の歴史持つ霊界への入口

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石や粘土を使って洞窟内に住居を作り生活する人々もいる

石や粘土を使って洞窟内に住居を作り生活する人々もいる

サン族の岩窟壁画の世界的専門家ピーター・ジョリー氏は、この壁画は霊的要素を含んでいると指摘する。

ジョリー氏は「壁画に描かれているのは、極めて非現実的な人物、動物、奇妙な生物など、トランス状態の体験に関するものが大半」とし、さらに「サン族の壁画は、霊界を描写することに主眼が置かれており、トランス状態を経験したことがない人やシャーマンと同じ経験をしたことがない人が霊界をのぞくための『窓』の役割を果たしている」と指摘する。

またジョリー氏は、「トランス状態は主にダンスやリズム、女性たちの拍手を通じて達成される。彼らはトランス状態になると、自分がまるで力のある動物になったかのように感じた」とし、さらに「トランス状態になり、霊界に入り込むと、そこでその地域に不和、病気、死をもたらす悪霊と戦うことになるが、その動物の力で守られる」と付け加えた。

しかし今、一部の岩肌は危機に瀕しており、そこに描かれた壁画が自然の力や、今も一部のオーバーハング(張り出し部分)周辺で飼育されている畜牛により損なわれている。しかし世俗と霊界の架け橋となり、生きている者と死者とをつなぐ、これらの洞窟の力は今後も失われることはない。

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