エアバス、貨物機「ベルーガ」の新型機を公開
(CNN) 航空製造大手「エアバス」はこのほど、開発中だった新型の大型貨物機「ベルーガXL」の機体をフランス・トゥールーズの組み立て工場で披露した。
同社の旅客機「A330−200」型機を下敷きにしたもので、北極圏などに生息するシロイルカの別名「ベルーガ」の顔部分を真似たような機首、きらめくような青色の目や笑みを浮かべる口先などの模様が塗装されて登場した。
このデザインはエアバス社従業員2万人が参加した社内投票で決められた。6つの案から選ぶ趣向だったが、圧倒的に多い4割の支持を得たという。
ベルーガは1994年から使われ始め、これまで5機製造された。欧州各地に散在する工場で製造されたエアバス機の部品をトゥールーズやハンブルクなどの最終組み立て工場へ運ぶための貨物機ともなっている。
A330ー700L型機とも呼ばれる新型機は2014年から開発を開始。担当部局の責任者によると、1機当たりの生産率が向上したことを受け、さらなる搭載能力拡大も図るため新型機を目指したとしている。
初代のベルーガは長距離用旅客機A340の翼やA350の胴体などを搬送。ただ、総2階建ての巨大旅客機A380の多くの部品を運ぶ十分な大きさはなかったという。
ベルーガXLは長さで6メートル、幅で1メートル大きくなり、搭載能力は30%増となり、6トン重く積める。初代機はA350の主翼を1個のみ収容出来たが、2個入れることが可能となった。
ベルーガXLは今後地上テストを重ね、今年後半に初の試験飛行に臨む予定。正式な運航開始は来年を想定している。