インスタ映えする紫の島「バンウォル島」 韓国
(CNN) 韓国のある農村が、インスタグラム時代にぴったりの観光名所に生まれ変わった。
韓国南部の西岸沖に位置するバンウォル島は、島内の約400軒の家の屋根を薄紫色に染めて以降、「パープルアイランド(紫の島)」の名で知られる。さらにこの島にはラベンダー畑にアメジスト(紫水晶)色の電話ボックス、紫色の大きな橋まである。
韓国では今、新型コロナウイルスの世界的大流行の影響で国境が基本的に閉鎖されているため、旅行に飢えた人々がこの地域に押し寄せている。2020年6月から8月にかけて10万人以上がバンウォル島を訪れ、訪問者数は前年から2割も増加した。18年以降の同島の累積訪問者数は49万人を超えている。
このプロジェクトは、韓国南西部に位置する行政区、全羅南道が進める「島を魅力的な旅行先にする」ためのブランド化の取り組みの一環として2015年に計画され、この地域を原産とするカンパニュラと呼ばれる紫色の花からヒントを得た。
小さなバンウォル島とバクジ島の島民は、両島合わせても150人に満たない。島全体を紫色にするプロジェクトが始まって以来、島の農民たちは島のブランドに合う赤紫色の野菜、コールラビとビーツの栽培を始めた。また地方自治体も紫色の花を咲かせるネバリノギクを3万本植え、さらに総面積2万1500平方メートルのラベンダー畑を作った。
バンウォル島とバクジ島の間には紫の橋が架かっており、旅行者は徒歩で2つの島を行き来できる。
島には他にもカフェ、2軒のフルサービスのレストラン(バクジ島とバンウォル島に1軒ずつ)、自転車レンタルサービス、小さなホテルなど、新たな旅行者の波に対応するための設備やサービスが用意されている。ソウルからバスか自家用車でバンウォル島に行く場合の所要時間はおよそ6時間だ。
バンウォル島のこの大胆かつ美しい取り組みは功を奏しているようだ。現在、韓国では出国すると帰国時に2週間の自主隔離を行う必要があるため、大半の国民は国内旅行を選択している。