韓国LG電子、スマートフォン事業から撤退
香港(CNN Business) 韓国大手のLG電子が5日、スマートフォン事業からの撤退を発表した。「アンドロイド」スマートフォンの先駆け的存在だった同社だが、競争が激化する中でここ数年は同事業の赤字が続いていた。
携帯電話事業部は7月31日で閉鎖する見通しだが、その後も一部のモデルは販売を続ける可能性もある。
LGは声明の中で、「とてつもなく競争が激しい携帯電話の分野から撤退するという戦略的決定により、電気自動車部品やつながるデバイス、スマートホーム、ロボット工学、人工知能、企業間ソリューションといった成長分野に資源を集中できる」と説明した。
LGはかつて世界トップ級のスマートフォンメーカーだった。調査会社ストラテジー・アナリティクスによると、2013年には世界市場シェア3位に浮上していた。
しかし中国の小米科技(シャオミー)やOPPO(オッポ)が世界中で台頭する中でLGの人気は後退。カウンターポイント・リサーチによると、昨年は世界上位7社からも脱落した。ただ、市場調査会社カナリスによると、米国のスマートフォン市場では米アップルと韓国サムスン電子に次いで3番目に人気があった。
LGの撤退により、世界のスマートフォン市場には2%以下の「小さな真空」が生じるとカウンターポイント・リサーチのニール・シャー調査担当副社長は指摘。その空間は韓国と米国の両方で、サムスンや小規模のメーカーが埋めるだろうと予想する。
LGは今年1月の時点で、スマートフォン事業部の売却も含めたあらゆる選択肢を検討していることを明らかにしていた。