イタリアの新国営航空、15日から運航 アリタリア後継
(CNN) イタリアで経営破綻(はたん)したアリタリア航空に代わる新たな国営航空会社「ITA(Italia Trasporto Aereo)」が10月15日に運航を開始することになった。
米運輸省へ提出した書類によると、ITAはイタリアの経済財務省が完全に保有。効率的、革新的で競争力のある航空会社を目指すとした。
欧州連合(EU)は先月、ITAとアリタリア航空は別の企業であるとの判断を示し、ITA発足に道を開いていた。アリタリア航空は長年、経営不振に直面。14日をもって姿を消すことになる。
アリタリアの乗り入れ先は国内26カ所を含め全世界で94カ所に達していた。ITAは大半を受け継ぐ予定だが、公式サイトによると就航は緩やかに進める。即座に就航するのは16の国内路線、19の短中距離路線。長距離路線は東京とニューヨークのみの予定。
アリタリア航空の機材も使うが永続的な措置とはならない。欧州エアバス社製の旅客機で占める計画を明らかにし、新品の機材28機を調達予定。45機はリース契約で確保する。最初は計52機で事業を始め、2025年までに105機に拡大する。
社名については、アリタリア名のブランドを得るための公開入札に加わる方針を示したが、時期的な見通しには触れなかった。ただ、アリタリアのマイレージプログラムなどはEUの不承認を理由に引き継がない。
航空料金は競争的な水準に設ける見通し。11月の運航では、ニューヨーク・ケネディ国際空港からローマまでは498ドル(約5万6300円)となっていた。米デルタ航空では505ドルとなっている。ミラノ、ロンドン間の往復料金は98ドル。英ブリティッシュ・エアウェイズは120ドルを請求している。