「スーパービジネス・ミニスイート」、将来は豪華な空の旅の主役に

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通常のビジネスクラスよりも広く、プライベートな空間を作り出すためのドアなどを備えるが、ビジネスクラス並みの価格で利用できる/RECARO Aircraft Seating

通常のビジネスクラスよりも広く、プライベートな空間を作り出すためのドアなどを備えるが、ビジネスクラス並みの価格で利用できる/RECARO Aircraft Seating

シートは180度のリクライニングが可能なフラットベッドシートで、座席が交互に配置されているため、どの席からも直接通路に出られる。

各シートは、ワイヤレス充電、巨大な機内エンターテイメントモニター用のスペース、複数の収納スペース、仕事、食事、遊びのためのスペースを備える。最大の特徴は、後方にスライドするドアだ。このドアを閉めることにより、キャビンから隔離されたプライベートな空間を確保できる。

スーパービジネス・ミニスイートのドアは、キャビンの天井と同じ高さではなく、離着陸時の態勢で座っている人の肩ほどの高さだ。また着陸の際は、緊急時に素早く避難できるようにドアを開けておく必要がある。

しかし、シートの背もたれを倒すと頭がドアの高さよりも低い位置まで下がるため、ドアが実際の高さよりもはるかに高く感じる。

バロン氏は「新しいウィズコロナの時代には、ドア付きのコクーン(まゆ)型シートは『金銭的余裕があれば利用したいオプション』から『最低基準』へと変わるだろう」と指摘。「そしてミニスイートが今後ますます豪華になれば、次に問題になるのは長距離線ファーストクラス専用製品の妥当性(投資利益率)だ」

控えめな欲求

ロンドンに拠点を置くトレンドワークスの創業者で、航空業界の消費者トレンドや機内体験の専門家であるエリナ・コポラ氏は、旅行者がスーパービジネス・ミニスイートに何を求めているかを把握している。

コポラ氏は「たしかに出張は大幅に減ったが、レジャー旅行や家族や友人に会いに行くための旅行に対するペントアップ需要は逆に高まっている」と言う。

「消費者はパンデミックの間、旅行に行かれない状況を何とか乗り切ってきた。だからこそ、普段の生活(や旅行)に戻った時、われわれは快適さを求め、細かい製品品質に着目し、優れた機能性を当然と考える」(コポラ氏)

今や航空業界の「ベル・エポック(古き良き時代)」にさえ感じられるファーストクラスのこの上ないぜいたくは、より控えめな欲求に取って代わられつつある、とコポラ氏は言う。

「過剰なぜいたく(の時代)は過ぎ去り、今最も重要なのはプライバシーと、自分の空間を過ごしやすいように変更できることだ」(コポラ氏)

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