「2021年歴史写真家賞」の受賞作発表、墜落した米海軍機の写真も
(CNN) 「過去は決して死なない」「それは過ぎ去ることさえない」――。今年の「歴史写真家賞」の受賞者の多くには、米小説家ウィリアム・フォークナーのそんな言葉が当てはまりそうだ。
同賞には今年、世界中の写真家から史跡や風景、建造物の画像が寄せられた。応募作品は「オリジナリティーや構成、技術的な秀逸さ」に加え、写真の文脈や背後にある物語をもとに選考された。
英テレビネットワーク「スカイヒストリー」の副社長で、審査員の1人を務めたダン・コーン氏は、新型コロナウイルス禍の逆境にもかかわらず創造性が花開いたと指摘。「2021年において歴史と人間性が鮮やかに息づいていることの印だ」と評している。
今年の大賞に輝いたのは、英ウェールズのホワイトフォードポイント灯台を撮った写真。このユニークな鋳鉄製の灯台は1865年の建設以来、長年にわたって人気の被写体となってきた。
英国からは多数の作品が寄せられ、このほかヘレフォード大聖堂やグラストンベリーの聖ミカエル塔、ノーサンバーランド州にあるバンバラ城の夕暮れをとらえた写真も高く評価された。
バンバラ城の写真/Scott Antcliffe
ブラジル・リオデジャネイロにあるニテロイ現代美術館を撮った写真も最終選考に残った。未確認飛行物体(UFO)からコンクリートの花まであらゆる物に似ていると評判のこの建物は、建築ファンにとって人気の訪問先となっている。
リオデジャネイロのニテロイ現代美術館/Alistair
特に強烈な印象を残したのは、アイスランドのソルヘイマサンドゥル付近で1973年に墜落した米海軍機の残骸の写真だ。撮影者のウクライナ人写真家は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)や英国王立写真協会用のために作品を撮ったこともある。
墜落した米海軍機ダグラスC117Dの写真/Yevhen Samuchenko