観光客殺到した富士山撮影スポット、地元自治体が対策用の幕を撤去
(CNN) 山梨県の富士河口湖町はこのほど、人気の撮影スポットにオーバーツーリズム(観光公害)対策として設置した巨大な幕をひっそりと撤去した。
富士登山吉田ルートの裾野に位置する同町にはかねて外国人観光客が押し寄せ、富士山の完璧な写真を撮影しようと試みていた。
観光客らはコンビニエンスストア「ローソン河口湖駅前店」から町道を挟んで立ち、ネオンの輝く店舗とその後ろで静かに佇(たたず)む富士山のコントラストをカメラに収めようとする。このため歩道に大勢の人が集まる状態になるとして地元自治体が問題視。5月には高さ2.5メートル、幅20メートルのメッシュ状の幕を設置して視界を遮る措置を講じていた。
幕の設置以前には観光客らに対して、交通ルールを守らず、ごみを捨てていくなどの苦情が地元住民から出ていた。看板や警備員を配置しても改善には至らず、幕の設置に踏み切ったという。
しかし、今月15日になって町の当局者らは幕を撤去。当初は周辺地域の強風への対処と説明していたが、現在は再設置の予定がないことを明らかにしている。
ある町議はCNNの取材に答え、5月に幕を設置して以降、現場の道路周辺にいつまでもいる人々はいなくなったと説明。設置は効果があったとの認識を示した。
その上で、警備員の配置は続けており、状況が変わればまた幕を設置することもあり得ると付け加えた。