NZ政府の豪州向け観光キャンペーンに批判集中 「安売り広告のよう」
(CNN) ニュージーランドが隣国オーストラリアからの観光客誘致を狙い、「みんな行かなくては」と呼び掛けたキャンペーンに、国内の野党や一部市民から批判が集中している。
ラクソン首相は16日、50万NZドル(約4330万円)規模の誘致キャンペーンを通じ、昨年テクニカル・リセッション(景気後退)に突入した経済の好転を図ると発表した。
ポスターには、ニュージーランドの荒野に魅了される旅行者の姿とともに、「みんな行かなくては」というスローガンが大きく掲げられた。
その直後から、野党議員らが「安売りの処分ワゴンに入れられた感じ」「観光名所でトイレに行きたくなったようなフレーズ」と、一斉に批判した。
また、旅行者の増加で観光インフラへの負担が増すことを懸念する声も上がった。
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「みんな行かなくては」のスローガンが大書された当該の広告/NZ Tourism
環境政党「緑の党」は、観光税の収入が観光資源である自然環境の保護でなく、外への売り込みに使われていると抗議した。
政府が観光客の誘致に努める一方、ニュージーランドから出国した居住者は昨年、過去最多を記録したとのデータもある。X(旧ツイッター)には、「みんな行かなくては」のスローガンと人口流出を結び付ける書き込みもみられた。
観光業界はこれまで、同国の経済に重要な位置を占めてきた。だがラクソン氏は、コロナ禍の打撃からまだ十分に回復していないと指摘する。
振興策の一環として、政府は最近、観光客がリモートワークに従事できるようビザの規制を緩和した。