生存者「怒りよりも困惑」 米シーク教寺院銃乱射
ウィスコンシン州オーククリーク(CNN) 米ウィスコンシン州ミルウォーキー南郊のオーククリークにあるシーク教寺院で男が銃を乱射し10人の死傷者が出た事件で、生存者の1人は5日、CNN系列局の取材に対し、「怒っているものは誰もいない。ただ、困惑しているだけだ。無差別な行動なのか。外見のせいで私たちが狙われたのか」と語った。
シーク教は1500年前後にインド北部から始まった宗教。同教徒の男性はひげとターバンが特徴だが、ヒンドゥー教徒やイスラム教徒と混同されることもある。そのため、2001年の米同時多発テロ以降、宗教に対する差別や偏見などが原因で起こる「憎悪犯罪」の標的となることがあるという。
事件は同日午前10時半ごろ発生した。警察は緊急通報を受けて現場へ急行し、警官1人が銃撃を受けて負傷したが、別の警官が撃ち返し犯人を殺害した。
当局によれば、犯人の襲撃によって、6人が死亡し、3人が重体となっている。
銃の取り締まりなどを行っているATFによれば、犯人は白人で40歳前後。防弾ベストは着用していなかったという。動機や身元については明らかになっていない。
米国のシーク教関連団体によれば、世界に約2500万人いる信者のうち、約70万人が米国に在住している。