米国産のコメに「懸念される」濃度のヒ素? 消費者団体が摂取制限勧告
現時点で米政府は、食品に含まれるヒ素濃度についての基準を定めていない。ただ、飲料水については環境保護局(EPA)の基準があり、ニュージャージー州は独自にEPAよりさらに厳しい基準を設定している。
今回の調査対象となった食品の約40%はヒ素濃度がニュージャージー州の基準を上回る一方、全商品ともEPAの飲料水基準の範囲内だった。
一方、米食品医薬品局(FDA)も19日、コメおよびコメを使った食品約200種類のヒ素濃度に関する調査の速報値を発表した。ヒ素濃度はコンシューマー・リポーツの調査とほぼ一致していたが、FDAは「現時点でのデータや科学文献から判断すると、コメとコメ製品について消費行動を変えるよう促すに足る科学的根拠は存在ない」と指摘。年内に1200種以上の食品を調べ、追加の勧告を出す必要があるかどうかを判断する。
米業界団体のUSAライス連合会は「コメに含まれるヒ素の濃度について懸念があることは認識しているが、コメの消費と健康への悪影響の直接的な関係を調べた信頼できる研究結果については認識していない」との談話を発表した。
同団体の顧問を務めたことのある専門家も、「(コメのヒ素)濃度は高くない」と強調し、「ヒ素は果物、野菜、コメを含む穀類などあらゆる食品に含まれている。コメは安全で栄養価の高い食品だと思う」と話している。