中国の核戦略に著しい進展、軍縮覆す恐れも 米議会報告
ワシントン(CNN) 米中の経済・安全保障問題に関する米議会委員会は14日、年次報告書を議会に提出し、中国は核兵器を含む軍の装備を「著しいペース」で近代化させていると指摘した。
報告書では、中国が過去20年で核の態勢を強化し、今後2年以内に潜水艦搭載型の核ミサイルと大陸間弾道ミサイル、戦略爆撃機を合わせた核戦力の3本柱を持つ可能性があると指摘した。
同委員会のデニス・シェイ委員長は記者団に対して同日、中国の人民革命軍は「2012年に潜水艦搭載型の大陸間弾道ミサイルを含む各種の核弾道ミサイル実験を行った」と語った。
中国が保有する核兵器の正確な数は不明だが、米国など西側諸国は100~500基と推定している。委員らは、米国は中国に対して核兵器の規模についての情報公開を促すべきだと強調した。
さらに、米国とロシアが結んでいるような核兵器の削減や制限に関する条約が、中国との間には存在しないことについても対応が必要だとした。リチャード・ダマト委員は「もし中国がこのまま近代化の取り組みを前進させれば、いずれ現在の軍縮態勢を覆すことになるだろう」と危機感を示し、米中間で何らかの対話を確立する必要があると語った。
報告書によると、中国は核兵器以外にも、同国初の空母の就航、第2のステルス戦闘機の飛行実験、衛星ナビゲーションシステムの強化、軍事訓練の強化などを進めている。