停電続く米ロングアイランド 住民が電力当局を訴える
ニューヨーク(CNN) 米東海岸を襲った大型温帯低気圧「サンディ」から2週間以上たった今も、一部地域では停電が続いている。ニューヨーク市郊外で13日、住民2人がロングアイランド電力当局(LIPA)などの過失責任を問う訴訟を起こした。
原告側は、LIPAと英国に本社を置く送電網運用会社ナショナル・グリッドによる重過失と契約違反、詐欺の被害を受けたと訴え、賠償金の支払いを求めている。
集団訴訟としての手続きを取ったため、原告側にほかの住民が加わることも可能だという。原告側弁護士は「原告が100万人に及ぶ史上最大級の集団訴訟となる可能性もある」と話す。
LIPAによると、13日夜現在、サンディの影響による停電は1万3000世帯で続いている。
原告側は、LIPAが事前の準備を怠り、被害を回避する措置を全く講じていなかったと主張する。一方、LIPAの報道担当者はCNNの取材に対し、「今は復旧作業の完了に全力を注いでいる」と答えた。LIPAのマイク・ハーベイ最高執行責任者(COO)は13日、今年いっぱいで辞任すると表明した。
原告以外の住民の間でもLIPAの対応を批判する声は強いほか、ニューヨーク州のクオモ知事も同日、LIPAには抜本的な組織改革が必要だと述べた。
ただCNNのポール・カラン司法アナリストは、「LIPA側が準備を怠ったと証明するのは容易でない。LIPAはサンディの被害が予想をはるかに超えていたと主張することもできるからだ」と指摘している。