米シークレットサービスの機密情報紛失 業者が地下鉄に置き忘れ
ワシントン(CNN) 約5年前の2008年2月、米シークレットサービスの仕事を請け負っていた業者が、機密情報の入ったコンピューターのバックアップテープ2本をワシントンの地下鉄内にうっかり置き忘れていたことが、警察と議会の複数の情報筋の話から明らかになった。
紛失した2本のテープには、シークレットサービスの人事や捜査に関する機密情報が入っており、何者かに閲覧や利用された場合の被害は甚大だという。
この請負業者は、テープが入ったポーチをワシントンにあるシークレットサービス本部からメリーランド州にあるすでに閉鎖されたデータ施設に運ぶ途中だった。紛失発覚後、大規模な捜索が行われたが、テープはまだ回収できていないという。
シークレットサービスは、機密情報の消失を認める声明を出したが、ポーチを紛失した人物の氏名や請負業者名は明らかにしていない。ただ、この情報消失により、誰かの生命が危険にさらされたり、不正行為が行われたりしたことはないとしている。
シークレットサービスは、これらのテープは外見からは機密情報の入ったテープとは分からず、また何重ものセキュリティー対策が施されているため、適切な機器がなければ閲覧できないとしている。
しかし、元米連邦捜査局(FBI)捜査官で現在は警備会社を経営するエリック・オニール氏は、仮に情報が暗号化されていたとしても「それは2008年当時の暗号技術であり、今は暗号解読の技術が飛躍的に進歩している」とし、「もしテープが誰かの手に渡れば、すぐに解読されるだろう」と指摘している。