放火現場へ出動の消防隊を待ち伏せし銃撃か、隊員2人死亡 NY
(CNN) 米ニューヨーク州ロチェスター近郊のウェブスターで24日朝、火事現場に駆けつけた消防隊を狙ったとみられる銃撃事件があり、隊員2人が死亡した。容疑者の男は自殺した。
死亡したのは、地元のベテラン消防士ら2人。さらに2人が負傷し、ロチェスター市内の病院の集中治療室で手当てを受けている。また、出勤途中に車で通りかかった近隣の町の警官が、破片で軽傷を追った。
男はウィリアム・スペングラー容疑者(62)。1981年に実の祖母を殺害したとして有罪となり収監されたが、仮釈放されていた。銃をどうやって入手したのか、なぜ犯行に及んだのかなどは明らかでない。ウェブスター警察の責任者によれば、銃の所有を禁止されていたにもかかわらず、当日は複数の武器を持っていた。
スペングラー容疑者は自宅に火をつけた後、現場が良く見える場所へ移動し、そこから発砲したとみられる。ウェブスター警察の責任者は「わなだったようだ」と述べた。数時間後に見つかった容疑者の遺体には、自ら頭部を撃ったとみられる跡があった。
スペングラー容疑者は出火した家に親族1人と住んでいたとされる。母親は過去1年の間に死亡した。親族は行方不明となっている。
現場は海沿いに小さな家が並ぶ住宅地。消防隊が現場に出動したのは午前6時ごろだった。発砲の通報を受けて警官隊も出動し、容疑者と銃撃を交わした。消火活動は数時間にわたって中止を余儀なくされ、特別機動隊が付近の住民らを避難させた。午後2時半ごろまでに火の手は収まったものの、住宅7棟が全焼。住宅に踏み込めない状態が続いたことなどから、死傷者数はさらに増える可能性がある。
同州のクオモ知事は「恐ろしい事件だ」と述べた。米国ではコネティカット州の小学校で発生した銃乱射事件を受け、銃規制をめぐる議論が活発化している。