米国防長官、ヨルダンへの派兵拡大を発表 シリア内戦にらむ
ワシントン(CNN) 米国のヘーゲル国防長官は17日、シリア内戦に関連し隣国ヨルダンに派遣する米軍兵士を増強させると発表した。米上院軍事委員会に対する声明で明らかにした。
シリア内戦への軍事関与には慎重姿勢を保つオバマ米政権だが、米国防総省当局者は今回の派兵拡大の決定で、シリア情勢をにらんだヨルダンでの米軍プレゼンスがより公の性格となるとの見方を示した。
オバマ政権はシリアの反体制派を支援しているが、直接の武器援助は過激派への流出などを懸念して行っていない。ただ、オバマ氏は先に反体制派への援助を拡大し、非致死性の装備品を供与する方針を明らかにしていた。
米国防総省当局者によると、ヨルダンに配置する米軍兵士は最大200人を見込む。米テキサス州フォートブリスに基地がある第1装甲師団の兵士が軸となる。派兵増大では、通信や諜報(ちょうほう)収集担当の兵士らが対象となる。
ヘーゲル長官は声明で、増派の米軍兵士はヨルダン軍と共に、シリア内戦に伴って今後予想される多数の事態への対応を準備すると述べた。国防総省当局者は、命令があればヨルダン軍と合同部隊を編成しての軍事作戦の遂行も念頭に置いていることを明らかにした。
ヨルダンには過去1年、特殊部隊を中心に数十人規模の米軍兵士が送られ、ヨルダン軍の支援などに当たってきた。
ヘーゲル氏は声明で、シリアへの軍事介入は最後の選択肢と強調。一方、米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長はアサド政権が崩壊した場合、必要となればシリアの化学兵器保管施設の安全性を確保するため米軍部隊を送り込む可能性があると指摘している。