黒人少年射殺の被告に無罪評決 人種問題絡め米注目の裁判
(CNN) 米フロリダ州中部サンフォードの路上で2012年2月に発生した元自警団団員によるアフリカ系(黒人)の少年の射殺事件で、同地の陪審裁判は13日、ジョージ・ジマーマン被告(29)に対し無罪の評決を下した。
被告は、発砲は少年の暴力に対する正当防衛の行為として無罪を主張。無罪の評決は、全員女性の陪審6人がこの主張に理解を示したことを意味する。フロリダ州の州検察当局は第2級殺人で被告を訴追していた。検察は今回の陪審評決を受け入れる考えを示した。
この裁判は人種や銃保持の権利などの問題と絡め全米で注目を集めていた。陪審6人のうち5人は白人、1人はマイノリティーで、評決内容の決定に計16時間半費やす慎重姿勢を見せていた。
少年のトレイボン・マーチン君(当時17)の父親はツイッターで家族をこれまで支援してきた人々への感謝を示しながらも、無罪評決に対する戦いは今後も続けると言明した。
事件は昨年2月26日の夜、少年がサンフォードのコンビニ店で買い物を終え、雨の中、父親の婚約者の家へ戻る際に発生。被告は不審な少年を見つけたとして警察に連絡したが、警官が急行しているので尾行しないよう指示を受けた。
しかし、被告は車外に出て、少年の居場所を確認する行動などを取ったとされる。少年との小競り合いが起きたのはこの後だったが、どちらが最初に仕掛けたのかが論点の1つとなっていた。また、少年が被告の銃を見つけ、手に取ろうとしたのかなどの事実認定も争われた。
ヒスパニックのジマーマン被告は黒人少年に対する人種的偏見があるとの批判もあったが、被告の弁護士はこれを否定していた。