シリア軍事介入、米国民の7割は懐疑的 世論調査
ワシントン(CNN) シリア政権が化学兵器を使用したとしてオバマ米大統領が主張する軍事介入に対し、米国民の多くは懐疑的な見方を示していることが、CNNとORCインターナショナルによる世論調査で明らかになった。
調査は6~8日、米国内の成人1022人を対象に電話で実施され、9日に結果が発表された。
それによると、アサド政権が自国民を化学兵器で攻撃したと考える人が全体の8割以上を占めた。一方、米国がシリアを攻撃することで目的を果たせるかとの質問には、7割以上が果たせないと回答。シリア内戦に巻き込まれることは米国の国益に反すると考える人も約7割に上った。
オバマ大統領は最長90日間、地上戦なしで軍事介入する案を議会に示し、承認を取り付けるための説得を続けているが、最大の課題は国民の支持を確保することだと専門家は指摘する。
軍事介入案には40%が支持を表明する一方、議会がこれを承認すべきではないとの意見は全体の59%を占めた。大統領は議会の承認なしでも攻撃を命じる権限を持つが、議会から承認が得られない場合は空爆を実施すべきでないと答えた人が70%以上、たとえ承認が得られても米軍の空爆に反対すると答えた人は55%に上った。
01年9月の同時多発テロから1カ月弱の時点でCNNなどが実施した世論調査では、軍事行動を支持する意見が86%を占めた。03年にはイラクのフセイン政権が大量破壊兵器を開発、保有しているとの情報を受け、米国民の64%が同国への侵攻を支持したが、この情報は後日否定された。シリアへの慎重姿勢の裏には、イラクなどでの苦い経験があるともいわれている。
オバマ大統領は10日夜に、対シリア軍事介入に関するテレビ演説を予定している。