米、インドの要請に応じ外交官1人を召還へ
(CNN) 米ニューヨークに駐在していたインドの副総領事が家政婦のビザ申請問題で逮捕、起訴された問題で、米政府はインド側の求めに応じ、ニューデリーの大使館から外交官1人を帰国させるとの方針を明らかにした。
インドのデブヤニ・コブラガーデ元副総領事は、インドから呼び寄せた家政婦のビザ申請の際に米国での賃金や労働時間に関して虚偽の申告をしたとして昨年12月にニューヨークで逮捕され、9日に連邦大陪審に起訴されていた。
インド外務省は10日、元副総領事が米国から出国したと発表。インド当局者が匿名で語ったところによると、元副総領事は同日、ニューデリーの空港に到着した。本人は仲介者を通してCNNに、米検察の罪状は「根拠のない誤りだ」と主張し、「早く皆さんにそれを立証したい」と述べた。
検察によれば、元副総領事は申告内容に反して家政婦を安い賃金で長時間働かせていたとされる。一方インド政府は、元副総領事が逮捕された際に身体検査で服を脱がされるなど不当な扱いを受けたと抗議し、米国側に謝罪と起訴取り下げを求めている。
元副総領事は逮捕された後で、広範囲の外交特権が認められる国連代表部へ異動した。複数の米当局高官が語ったところによると、米国がインド側に外交特権の放棄を求めたが拒否されたため、本人を国外退去させる以外に選択肢はなかったという。米国務省のサキ報道官は、インド側の要請通りに米外交官を帰国させることで、事態が収束するよう願っていると述べた。