ソチ五輪に「具体的な脅威」 米テロ対策当局
ロシア南部ソチ(CNN) 7日開幕のソチ冬季五輪に対するテロの懸念を巡り、米当局が複数の具体的な脅威を監視していることが分かった。米国家テロ対策センター(NCC)のオルセン所長が4日、下院情報特別委員会の公聴会で語った。
オルセン所長は、それぞれの脅威を示す情報の信頼性には幅があるとしたうえで、「ロシア当局や関係機関と緊密に連携して監視と攻撃阻止に努めている」と述べた。
脅威の中心となる組織として、ソチのある北カフカス地域でイスラム国家建設を目指す武装組織「コーカサス首長国」を名指しした。同組織はロシアで最もよく知られたテロ集団とされ、かねて五輪の妨害を予告している。
所長はさらに、テロの危険性は五輪会場自体より、その周辺やソチ以外の地域の方が高いとの見方を示した。
下院情報特別委員会のマイク・ロジャース委員長も同日、CNNとのインタビューで「会場自体は大丈夫だと思う」としたうえで、「周辺地域の組織などが五輪への攻撃に強い関心を示していることが非常に心配だ」と語った。同委員長はまた、テロ対策での協力態勢が「100%ではない」と不満を述べた。
ホワイトハウスによると、オバマ大統領は同日、ソチで米国人を保護するための安全対策について説明を受け、「引き続きロシア当局などと力を合わせ、五輪の安全確保と成功を目指してほしい」と指示した。