氷河の裂け目から奇跡の生還 ヒマラヤ
(CNN) ネパールで登山中にクレバス(氷河の裂け目)約20メートルの地点に落下して奇跡的に生還を果たした米登山家は22日、CNNの番組に出演し、当時の様子を語った。
ウェスタンケンタッキー大学のジョン・オール教授は、自力でクレバスを抜け出し、自分のテントに戻り、そこでヘリコプターに救助されたという。
「クレバスから抜け出すのに恐らく4、5時間かかった。少し上っては横に移動するという動作を繰り返しているうちに雪が固まっている場所があったので、そこにピッケルを引っ掛けて抜け出した」
「クレバスを上っている4、5時間の間に落下すれば、無論クレバスの底まで転落することは分かっていた。1度でもミスをしたり、休んでいたりすれば、命はなかっただろう」
オール氏は19日、ヒマラヤ山脈のヒムルン山で気候調査を行っている時にクレバスに落下した。オール氏が落下直後に撮影したビデオを見ると、上は狭い穴から光が差し込み、下は底なしの穴のように見える。オール氏は岩棚のおかげで、底まで転落せずに済んだ。落下の際に右の肋骨を骨折したため、右足(右脚上部は動かず)、左脚、左腕だけで上ったという。
クレバスから抜け出した後、オール氏は歩いたり、転がったりしながら自分のテントに戻り、そこでヘリコプターを呼んだ。ヘリは16~18時間ほどで到着したという。
落下した時、オール氏は1人だった。
「もし誰かといっしょだったら、間違いなく2人とも助からなかった。私がクレバスに落下した後、他の者が私の上に落下し、2人とも死亡していただろう」(同氏)