リビアの米領事館襲撃 被告が米法廷で無罪主張
ワシントン(CNN) リビア東部ベンガジで2012年に発生した米領事館襲撃事件を首謀した疑いで拘束されたリビア人、アフメド・アブカタラ被告が28日、米ワシントンの連邦裁判所に出廷し、罪状認否で無罪を主張した。
アブカタラ被告は今月半ばにリビアで拘束され、米海軍艦上で取り調べを受けていた。米連邦陪審は26日、テロ攻撃に物質的支援を提供した罪1件で同被告を起訴。被告の身柄は28日にヘリコプターでワシントンへ運ばれた。
被告の年齢は43歳前後。白髪交じりの長い髪とあごひげ、濃いグレーのトレーニングウエア姿にサンダルをはいた姿で法廷に現れた。聞き取れないほどの小さな声で名乗り、罪状認否では本人に代わって公選弁護人が無罪を申し立てた。
治安判事は、7月2日と8日に予定される次の公判まで、同被告の身柄を引き続き拘束するよう命じた。
事件は2012年9月11日に発生し、スティーブンス駐リビア米大使ら米国人4人が死亡した。米連邦捜査局(FBI)は昨年7月、アブカタラ被告を殺人や現場での銃器使用の罪で起訴する証拠が得られたとの認識を示していた。
米当局者らによると、連邦検察は後日、殺人などの罪状を追加する見通し。証拠の公表をできるだけ遅らせるための作戦とみられる。被告は殺人罪などで有罪となった場合、死刑を言い渡される可能性がある。
米野党共和党の議員らは、オバマ政権が同事件を未然に防げず、事件後も国民に事実を十分に説明しなかったと非難し、当時のクリントン国務長官の責任を追及している。