白人至上主義のKKK、全米で会員募集活動 人種対立に便乗
(CNN) 白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」が全米で会員募集活動を活発化させている。ミズーリ州ファーガソンで黒人少年が白人の警官に射殺された事件などをきっかけに人種を巡る対立が浮き彫りになり、移民問題も論議を呼ぶ中で、そうした対立に乗じて支持を集める狙いがあるとみられる。
ニューヨーク州に住むカルロス・エンリケ・ロンドニョさんの自宅にも、KKKの会員募集チラシが配られたという。「私はコロンビア人で、浅黒い肌をしているのに」とロンドニョさんは笑う。
ロンドニョさんによれば、KKKは白人住民が多数を占める地域でこうしたチラシを配り、ラテン系住民が増えれば仕事や家が奪われると主張して不安をあおる狙いがあるとみられる。
チラシの入ったビニール袋には入会申し込み書などに加え、フルーツキャンディーが3個入っていたという。
KKKなどの活動を監視している弁護士団体の関係者によると、同じようなチラシはこの半年の間に全米で配られるようになった。内部の対立や裁判などによって組織が弱体化を続ける中で、会員を増やすための活動に力を入れ始めたと関係者はみる。
ニューヨーク州のサザンプトン警察は、KKKのチラシについてサフォーク郡警察の憎悪犯罪対策局に連絡を取ったことを明らかにした。
報道によると、カリフォルニア州オレンジでも7月に同じようなチラシが配られたほか、サウスカロライナ州セネカの住民にもチラシやキャンディーが届いた。
テキサス州ケイティーでは「米国の国境を守る戦いに参加を」と呼びかけるチラシが配られた。
国境警備の現状に不安を感じていたというアフリカ系米国人の男性は、このチラシに書かれていた番号に電話したところ、KKKの担当者から「100%コーカサス系でなければ会員にはなれない」「チラシはあなた宛てではなかった」と告げられたという。