「サイバー攻撃の可能性に順応を」 オバマ大統領
ワシントン(CNN) 映画会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメントに対するサイバー攻撃に北朝鮮が関与したと米当局が断定した問題を巡り、オバマ米大統領は21日に放送されたCNNの番組のインタビューで、今回の攻撃は「戦争行為」ではなく「サイバー破壊行為」だとの認識を示した。
この問題では北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺計画を題材にしたコメディー映画「ザ・インタビュー」を巡り、映画館に対するテロ予告があったことを受けてソニー・ピクチャーズが公開中止を発表。これに対してオバマ大統領は19日の記者会見で、ソニーの判断は「誤り」だったと批判していた。
オバマ大統領は21日のインタビューでも、「同社には事業上考慮しなければならない事情があるという点では同情する。もし今回の判断について同社が私に相談してくれていたら、私から映画館や配給会社に電話して事情を聴けていたかもしれない」と振り返った。
ただし問題はソニー・ピクチャーズそのものにあるのではなく、こうした前例ができてしまうことにあると述べ、「他国の独裁者がサイバー攻撃を通じて企業の配給網や製品を妨害し、結果として我々自らが検閲を始める前例ができてしまうとすれば、それは問題だ」と強調している。
さらに「これはエンターテインメント業界だけでなく、報道機関にとっても問題になる」と指摘。「例えばCNNが北朝鮮に対して批判的な報道を行ったとして、もしCNNのサイバー空間が攻撃されれば、もう北朝鮮については報じないと言うだろうか」と問いかけ、「ソニーが悪者だというわけではない。我々すべてがサイバー攻撃の可能性に順応する必要があり、もっと守りを固める必要があるということだ」と語った。