男性の死亡巡る新事実が次々に浮上、抗議デモ止まず ボルティモア
一方、警察は30日の記者会見で、ワゴン車が警察の施設に向かう途中で、これまでに公表していた以外の場所でも停車していたことが新たに分かったと発表した。抗議デモの主催者や参加者は、こうした新事実が明らかになったことで、グレイさんの死を巡る疑惑が一層深まったと話している。
これに対してボルティモア警察のアントニー・バッツ本部長は、「こうした小さな事柄が少しずつ浮上してくるのは不幸なことであり、不適切だと思う。一呼吸置いて、州検察が全容を公表するまで待ってほしい」と呼びかけた。
グレイさんの逮捕にかかわった警官6人は全員が停職処分となり、捜査員が事情を聴いている。このうち1人の親類の女性が匿名を条件にCNNに語ったところ、当該の警官はグレイさんについて、ワゴン車に乗せられる前に負傷していたようだと話しているという。
別の情報として、ワシントン・ポスト紙は、グレイさんの後に拘束されて同じワゴン車に乗せられた男性が調べに対し、「(グレイさんは)故意に自分自身を傷つけようとしていた」と話していると伝えた。この男性は、グレイさんがワゴン車の壁をたたく音が聞こえたと証言しているという。ただしグレイさんとの間は仕切りで隔てられていたため姿は見ていない。
ボルティモアの抗議デモでは30日未明にも外出禁止令違反で11人が逮捕された。
抗議デモが始まって以来の警官の負傷者は98人に上り、うち43人が病院で救急治療を受けたという。