オバマ大統領、TPP妥結へ尽力強調 日米首脳会談
ワシントン(CNN) オバマ米大統領は28日、ワシントンで開かれた安倍首相との首脳会談後の共同記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP)の締結までにはまだ課題があることを認めながらも、交渉の妥結に向け尽力する姿勢を強調した。
オバマ大統領は、まず議会を説得して大統領に貿易促進の権限を与える法案を通過させる必要があり、「この町で貿易法案を通過させるのは愉快な作業ではない」とこぼしてみせた。
また、米政府はTPP交渉国の中で2番目の経済規模を誇る日本との間で合意に達する必要がある。日本は農業と自動車業界を開放して外国との競争にさらすことに抵抗してきた。「米国には日本車がたくさんある。日本でも米国の車を増やしたい」と大統領は強調した。
TPPが締結されれば、米国の一部産業が打撃を受けたり、グローバル化によって米国人の雇用が失われたりする恐れもある。オバマ大統領はそれを念頭に、「これは史上最も進歩的な貿易協定になると確信している」「これまでの協定にはなかった労働や環境、人権を守るための措置が盛り込まれる」と訴えた。
一方で、TPPによってアジア太平洋経済に対する日米の影響力が強まり、中国に対抗する態勢が強化できるとの見方については、両首脳とも直接的な答えを避けた。オバマ大統領は「安倍首相も私と同様、妥結に向けて尽力している。我々はこれを成し遂げると確信している」と語るにとどめた。