警官6人を殺人などで訴追 米黒人男性死亡
一方、警察の組合は、モズビー検察官に利益相反が認められると批判。警察による捜査の結論を待たずに訴追したことにも失望を表明し、「警察官にも適切な法手続きを受ける権利がある」とした。同組合の弁護士は「グレイさんを傷つけた警察官は一人もいない」と主張した。
訴追された警察官6人の予審は5月27日に予定されている。
モスビー検察官は、逮捕から死亡に至る経緯についても明らかにした。これによると、オートバイでパトロール中の警察官2人がグレイさんと「視線を合わせた」際、グレイさんは逃げ出した。警察官が追いつくと、グレイさんは無抵抗となり、地面に押さえつけられて後ろ手に手錠をはめられた。グレイさんは息ができないと伝え、吸入器を求めたが、警察官は応じなかった。グレイさんはこの時ナイフを所持していたが、州法で許可されている種類のもので、拘束すべき理由は無かったという。
だが、警察官はグレイさんを連行するためにワゴン車を手配。車に乗せられたグレイさんは、シートベルトを着用させられなかった。車は約40分間走行し4回停車。最初の停車時にグレイさんは車外に連れ出され、足かせをはめられてから、頭から腹ばいで後部座席に乗せられた。