米最高裁、医療保険制度改革法の補助金支給認める
ワシントン(CNN) 米医療保険制度改革法(オバマケア)に盛り込まれた補助金支給の是非が争われた裁判で、米連邦最高裁判所が補助金の支給継続を認める判決を言い渡した。これで同法はオバマ政権の実績として、今後の世代に引き継がれることになる。
最高裁判決は6対3の多数意見。医療保険制度改革法では州独自の保険取引所を開設した州の住民だけでなく、米政府の取引所を使っている34州の住民に対する補助金の支給も認めているという判断を支持した。
同法に基づき独自の保険取引所を開設したのは16州とコロンビア特別区のみ。共和党系を中心とする34州は取引所を開設しておらず、住民は米政府が運営する取引所を利用している。
反対派は、米政府の支給する補助金は「州が開設した」取引所を対象にするとした文言を引き合いに、取引所を開設していない州の住民に対する補助金は打ち切るべきだと主張していた。もしこの主張が認められれば、米議会が同法を改正するか州が行動を起こさない限り、640万人に対する補助金が打ち切られる可能性があった。
最高裁の多数意見はリベラル系の裁判官4人のほか、保守系のジョン・ロバーツ長官とアントニー・ケネディ裁判官が支持した。
オバマ大統領はホワイトハウスで演説し、「5年前、1世紀近くにわたる審議を経て、ようやく米国の医療保険は少数の特権ではなく全国民にとっての権利となった。医療保険制度改革法は定着する」と判決を歓迎した。
一方、大統領選に立候補を表明している共和党のジェブ・ブッシュ氏は、「もし私が大統領になったら、この欠陥のある医療保険制度の是正を最優先課題の一つとする」と宣言した。