大統領選出馬のクリントン氏、サイバー攻撃で中国を強く非難
(CNN) 来年の米大統領選で民主党指名候補に有力視されるクリントン前国務長官は4日、選挙集会で、中国の関与が指摘される米国内でのサイバー攻撃や南シナ海での埋め立て活動などを激しく非難した。
前長官は米国内で国防契約業者の青写真など「動かないもの」にさえハッキングを試みていると非難。前長官による中国の不正侵入行為に対する批判としてはこれまでにない強い調子の内容となっている。中国は米企業や政府機関から情報を盗んでいるとも言い切った。
クリントン氏はニューハンプシャー州グレンでの選挙集会で、中国は主導権の獲得を目指し、商業上の秘密事項や膨大な量の政府情報の入手を図っていると主張。中国の台頭に対する対応は米国と世界の将来の多くを決定付けるとも強調した。
その上で、中国の平和的な勢力伸長を望むとし、国務長官時代、この目的のため懸命に働いたとし、今後も同じ努力をするだろうと指摘。しかし、中国の軍事力は急激に高まっており、領土論争があるような場所で米国と協定を結んでいるフィリピンのような国を威嚇する軍事施設を構築しているとも切り捨てた。主権争いがある南シナ海で中国が人工島の建設を進めていることに注意を向けた。
米国内では最近、米政府人事管理局のコンピューターシステムがサイバー攻撃を受け、政府職員ら約1800万人の個人情報が漏出する事件が発覚。クラッパー国家情報長官は先月、諜報(ちょうほう)関連の会合で「主要な容疑者は中国」との見方を示していた。