米国内のペスト患者11人に、CDCが注意呼びかけ
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は、米国内で4月1日以降に11人のペスト感染が確認され、うち3人が死亡したことを明らかにした。今年は例年に比べて症例数が多いとして注意を呼びかけている。
2001~12年にかけて米国内で確認されたペストの症例は年間平均で7人、死者は1人未満だった。
ペスト感染が確認されたのはコロラド州の4例を筆頭に、ニューメキシコやアリゾナなどの6州。カリフォルニア州やジョージア州ではヨセミテ国立公園内や周辺での感染が報告されている。
最年少は14歳、最高齢は79歳。患者のうち9人が男性だった。主に米西部の都会から離れた地域で発生しているという。
ペスト菌は自然環境や野生のげっ歯類が生息する場所に存在していて、ネズミやリスにたかるノミを通じて人に感染する。感染すると、2~6日の潜伏期間を経て高熱や腹痛、嘔吐(おうと)などの症状が現れる。
早い段階でペストと診断されれば抗生剤で治療でき、致死率は16%にとどまる。しかし治療を受けなかった場合は66~93%の確率で死に至る。
今年の症例数が例年に比べて多い理由は不明だが、2006年には17人の感染が確認されるなど、年によってばらつきがあるという。
CDCでは医師に対し、感染地域を訪れ菌に接触した可能性のある人に高熱やリンパ節の腫れといった症状が見られる場合はペストの可能性も疑うよう勧告した。ペストが見つかっている地域では、長ズボンを着用して虫よけを使うなどの予防策を呼びかけている。