米ミズーリ大で差別問題浮上、アメフト選手がボイコット宣言
この問題では同州のジェイ・ニクソン知事も6日、対応が必要だとの認識を示し、ウルフ氏は対応の必要性を認めている。それでも辞任要求には応じない姿勢を崩さず、8日の声明では「複雑な社会問題に対応するため、対話を継続する」と強調した。
今回の事態の発端は、アフリカ系米国人の学生団体代表がこの秋に、学内で人種差別が横行していると訴えたことがきっかけだった。同団体によれば、酔った白人学生がアフリカ系学生の集会に乱入して人種差別の暴言を吐く騒ぎが起きた際も、大学警備員は積極的な対応をしなかったという。
10月10日に行われたパレードでは、ウルフ氏の乗った車を学生たちが妨害する騒ぎに発展。ウルフ氏はこの時も無関心を貫き、学生の1人が車にはねられたと学生側は主張している。けが人は出なかった。
ミズーリ大学のボーウェン・ロフティン総長は教職員や学生に対する研修の義務付けを指示。ウルフ氏も「学内に人種差別が存在していた。これは容認できない」と認めて謝罪している。
学生側は、それでもまだ対応は不十分だと主張。ウルフ氏は8日の声明で重ねて「変化が必要なことは明らか」と強調し、対応を約束した。
ミズーリ大学コロンビア校の学生は約3万5000人。このうち黒人など少数系の学生は17%を占めている。