米政界で強まる反イスラムの動き、移民政策や大統領選影響
(CNN) パリ同時多発テロを受け、米国では次期大統領選の候補者から地方レベルまで、多くの政治家からイスラム教徒やアラブ系民族に反感を示す発言が相次いでいる。
「我々はヒステリーと恐怖の空気に取り囲まれている」と語るのは、イスラム教市民団体、米イスラム関係評議会(CAIR)の報道担当者だ。2001年の米同時多発テロの後さえ「これほどではなかった」と話す。
イスラム教徒や市民活動家らによれば、その背景には米大統領選を控えた選挙戦と、米国自体の移民政策をめぐる激しい論争がある。野党・共和党の指名獲得を目指す候補者からは、たがが外れたように激しい反移民の声が上がっている。
世論調査で首位を争う実業家のドナルド・トランプ氏は、イスラム教徒に「データベース」への登録を義務付けて監視し、一部のモスク(イスラム教礼拝所)を閉鎖するべきだと提案。ライバルの元医師、ベン・カーソン氏は、一部のシリア人難民を「狂犬病の犬」にたとえて米国への受け入れ拒否を主張した。