米当局、遺伝子組み換えサケを初認可 表示義務なし
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は19日、遺伝子を組み換えたサケを食品として認可した。
アクアバウンティ・テクノロジーズ社が開発した「アクアアドバンテージ」は、タイセイヨウサケの遺伝子を組み換えて成長の速度を速め、食卓に上るまでの時間を短縮できるようにした。一部では「フランケンフィッシュ」とも呼ばれている。遺伝子を組み換えた動物が食品として認可されたのは初めて。
FDAは、同社から提出されたデータや情報を検討した結果、承認に必要な基準はすべて満たしていると認定。このサケを使った料理を食べても安全と判断した。
成長が速いという同社の主張も確認した上で、遺伝子を組み換えていないサケとの間に生物学的な違いはないとFDAは認定。このため遺伝子組み換えのラベル表示は義務付けられない。
遺伝子組み換えサケは、キングサーモンの成長遺伝子と「ゲンゲ」というウナギに似た魚の遺伝物質を組み合わせた遺伝子を、タイセイヨウサケの卵に注入して誕生させた。遺伝子を組み換えてできたサケに繁殖能力はない。養殖はカナダとパナマにある2カ所の施設でのみ許可される。
一方、養殖業者や消費者などからは、遺伝子組み換えサケの承認に強く反対する声が上がっていた。表示が義務付けられていないことに対しても「食品の製造方法について知る消費者の基本的権利がないがしろにされた」と訴えている。
アクアバウンティによると、販売開始の時期は未定。ただ、複数の流通経路について検討しているという。