黒人教会の銃乱射はヘイトクライム、米連邦検察が死刑求刑
(CNN) 米サウスカロライナ州にあるアフリカ系(黒人)米国人の教会で2015年に起きた銃乱射事件で、9人を殺害した罪に問われている白人のディラン・ルーフ被告(22)に対し、米連邦検察が死刑を求刑する方針を固めたことが25日までに分かった。
この事件では2015年7月、同州チャールストンの教会で聖書の研究をしていた信者らに対してルーフ被告が銃を乱射、同教会の牧師など9人が死亡した。連邦検察は、人種や宗教への偏見に根差す犯行だったとして、ルーフ被告をヘイトクライム(憎悪犯罪)など33件の罪で起訴した。
罪状認否でルーフ被告の弁護側は無罪を主張していた。
死刑求刑について、ロレッタ・リンチ司法長官は、「犯行の性質と被害状況を勘案して決めた」と語った。
ルーフ被告は事件の翌日に拘束され、関係者の話では、チャールストン警察や米連邦捜査局(FBI)の調べに対して容疑を認めていた。人種戦争を始めるつもりだったとも供述したとされる。
米国では連邦制度による死刑の執行が16年間の停止を経て1988年に復活。連邦裁判所で死刑を言い渡された被告のうち、これまでに3人の死刑が執行された。
2013年に起きたボストン・マラソン爆破テロ事件で死刑を言い渡されたジョハル・ツァルナエフ被告をはじめ、連邦制度に基づく死刑囚は約60人に上っている。