「悲しみでより良い国を」 オバマ大統領、ダラス追悼式で訴え
(CNN) 警察官が銃撃され5人が死亡する事件が起きたテキサス州ダラスで12日、犠牲者の追悼式が営まれた。式典にはオバマ大統領とブッシュ前大統領が出席し、オバマ大統領は「私たちの悲しみでもっといい国をつくれる。私たちの怒りは正義と平和に変えられる」と訴えた。
7日に起きた事件では、ダラス警察の警察官が元陸軍兵の男に銃撃された。ルイジアナ州とミネソタ州で相次いだ警察官による黒人男性射殺事件に対する報復が狙いだったとみられている。
死亡したのは32~55歳の警察官で、ダラスで開かれた抗議集会の警備に当たっていた。
オバマ大統領は、死亡した5人をはじめ、全米で市民を守る警察の功績をたたえ、「米国での暮らしの在り方はすべて法の支配に依存する。その法を守ることは困難を極める。この国では兵士が街に配備されたり軍が規律を定めたりはしない。私たちにはその代わり、今回私たちから奪われたような警察官がいる」と指摘。ダラス警察は「計り知れない数の命を救った」と述べ、「銃弾が飛び交い始めてもダラス警察の警察官たちはひるむことなく、無謀な行動に出ることもなかった」と称賛した。
元テキサス州知事でもあるブッシュ前大統領は、「私たちは血統や経歴によって結束してきたのではない。私たちは精神性や共通の理念に対する共通の思いによってつながっている」として国民の結束を呼びかけた。
オバマ大統領とブッシュ前大統領は式典の後、死亡した警察官の遺族に面会する。