トランプ氏が指名受諾演説 共和党大会
オハイオ州クリーブランド(CNN) 米オハイオ州クリーブランドで開かれた共和党の全国大会は最終日の21日、大統領候補に指名された不動産王ドナルド・トランプ氏が登場し、指名受諾演説を行った。
演説の中でトランプ氏は、貧困や暴力、腐敗がはびこる米国の暗い未来を描いて見せ、そうした状況に陥る事態は自分にしか食い止められないと力説。11月の大統領選で勝利して、働く人たちの「声」になり、法と秩序を取り戻し、エリート層を失望させると宣言した。
予想のつかない選挙運動で政治のあらゆる慣行を壊してきたトランプ氏は、米国を壊れた国と位置付け、それを直せるのは自分しかいないと強調。「我が国を苦しめている犯罪や暴力は間もなく終わりを迎える」「2017年1月20日からは安全が戻る」と胸を張った。
米国の現状については、「今回の党大会は、我が国が危機に瀕する中で開かれた。警官が襲撃され、都市でテロが起こり、我々の生活そのものが脅かされている」との認識を示し、「この危険に対応しない政治家は、我が国の指導者としてふさわしくない」と批判した。
この日の演説では、共和党の分裂の問題にはほとんど触れず、大局的かつ高尚な論議を展開して大統領にふさわしい人格の持ち主であることを印象付けようとした。
民主党の指名を確実にしたヒラリー・クリントン前国務長官にも矛先を向け、「彼女の悪い本能と悪い判断が、今日これほど多くの惨状をもたらした」「死、破壊、テロリズム、それがヒラリー・クリントンのレガシーだ。だがヒラリー・クリントンのレガシーをアメリカのレガシーにしてはならない」と述べた。
外交政策では中国との貿易協定は交渉し直すと言明、「今こそ全世界にアメリカの復活を印象付けるべき時だ」と宣言した。