米大衆紙、トランプ氏に「選挙戦の打ち切り」迫る
ニューヨーク(CNNMoney) 新たな問題発言で物議を醸している米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ氏に対し、米大衆紙ニューヨーク・デイリー・ニューズが10日付の紙面で選挙戦の打ち切りを求めた。
同紙は1面にトランプ氏の顔写真と「もはやジョークではない」という見出しを掲げた。電子版にも9日夜、選挙戦打ち切りを迫る論説が掲載された。
トランプ氏は9日、遊説先のノースカロライナ州で、民主党候補のヒラリー・クリントン氏は国民が銃を持つ権利を保障した憲法修正第2条を廃止しようとしていると主張し、これを阻止するために銃擁護派なら「何かできるかもしれない」と発言。これがクリントン氏に対する脅迫だと非難を浴びている。
ニューヨーク・デイリー・ニューズはトランプ氏が出馬した昨年夏以降、同氏と敵対する姿勢を貫いてきた。これまで何度も一面記事で同氏を攻撃したが、撤退までは要求していなかった。
論説では、トランプ氏がクリントン氏の暗殺を考えているとして、「殺人を軽くみる考え方に弁解の余地はない」「頭のおかしい支持者らに政敵や大統領、最高裁判事を殺しかねない発想を植え付ける行為を正当化することはできない」と批判した。
さらに、トランプ氏が撤退を拒否するなら、副大統領候補のマイク・ペンス・インディアナ州知事を含め、共和党がトランプ氏を切り捨てるしかないと力説している。
トランプ氏の発言をめぐっては米ニュース専門局MSNBCのキャスター、ジョー・スカーボロー氏も、米紙ワシントン・ポスト電子版が9日深夜に伝えた論考の中で、暗殺行為が「好ましい影響」をもたらすとの考えを示唆したと指摘。現時点で考え得る最悪の動きだと批判し、ポール・ライアン下院議長をはじめとする共和党員はトランプ氏への支持を撤回するべきだと主張した。