トランプ氏「法廷で会おう」、控訴裁の大統領令差し止め支持で
一方、大統領令に対して訴えを起こしたワシントン州のボブ・ファーガソン司法長官は、「ワシントン州の完勝だ」「第9巡回連邦控訴裁判所が全員一致で我々の主張を何もかも認めた」と歓迎した。
司法省は、判断の内容について検証中とする声明を発表した。
1月27日に出された大統領令ではイラク、シリア、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンの7カ国の市民について、90日の間、米国への入国を禁止。難民は120日間、シリアからの難民については無期限で入国を禁止した。
これによって米国に入国しようとした渡航者が空港で足止めされるなどして混乱が拡大し、全米で訴訟が起こされた。
シアトルの連邦地裁は2月3日、大統領令の差し止めを命じる仮処分を言い渡し、これによって全米で入国禁止措置が解除された。政権側はこの判断に対して不服を申し立てていた。
今回の問題を皮切りに、トランプ大統領の政策に対して法廷で争う動きが加速する可能性もある。CNNの政治アナリスト、ジェフリー・トゥービン氏は、「トランプ政権の完敗だ。政権側は次に打つ手を決めなければならない」と指摘。「今回の判断は裁判官3人の一致した意見として示されたことから信用性も高い。この判断について、たとえトランプ政権が政治的行動と位置付けて過小評価しようとしても、それは難しくなる」と解説している。