国境の壁建設の応札開始 高さ、硬度や色で注文 米政府
政府は応募の作品の中から長さ30フィート(約9メートル)の試作品製作に見合うものを複数選ぶ。試作品の製造費は20万ドル(約2220万円)から50万ドル要する見通し。また、業者は壁の貫通実験用に長さ10フィートの試作品も提供する。
メキシコ国境沿いの壁建設はトランプ大統領が選挙戦中に打ち出した主要な公約の1つ。壁は美しくなければならず、使う資材は出来る限り米国製品であるべきとも主張していた。
入札開始の通知では、壁建設の総工費には触れていない。さまざまな試算が出ており、100億ドルから250億ドルの間との指摘もある。トランプ氏は先に公表した2018会計年度(17年10月~18年9月)予算案の概略の提案の中で壁建設の最初の歳出分として10億ドルの配分を求めていた。
壁建設の施工企業の選定では、他の政府契約の事業と同様の手順が踏まれると見られる。非公開が原則の選考委員会が結成され、デザインの善し悪しなどを含む提案内容を精査し、当該企業の事業達成能力も調べられる。同委は最大で20の提案をひとまず選び、各業者に総工費の算出などの各質問への回答を求める段取りになると予想されている。この後、試作品の製造に取り掛かる複数の契約が交わされる見通し。
ただ、政府は今回開始した入札受け付けは壁全体の建設に適用されるものではなく、新たな入札が将来実施される可能性があることも示唆している。